【山キャンプ】キャンプに行く前に覚えておいたほうが良い危険生物「爬虫類編」

【山キャンプ】キャンプに行く前に覚えておいたほうが良い危険生物「爬虫類編」

今回は山にキャンプに行った場合の危険生物(爬虫類)とその応急処置についてご紹介したいと思います。

草木や枯葉の下、岩陰などの一見しただけでは存在に気づきにくい場所に潜んでいる可能性もあるため、むやみにヤブに入らないことをおすすめします。

重篤化させないためには、応急処置を事前に把握しておくことが大切です。

ニホンマムシ

ニホンマムシ

生息地域と特徴

北海道から九州までの日本全国に生息

全長45~60cmで希に1m近くになる個体も存在する。森林・藪・水辺周辺に多く生息し、水田や川周辺で見かけることも多い。典型的なものは灰褐色~暗褐色で背に銭型の斑紋が並んでいます。頭部は吻端を頂点とする三角形のものが多く、その後方の両側に毒腺を持っています。

毒性はハブの2~3倍ありますが体が小さく毒の量は少ないです。 年間1000人以上が受傷しその内10名前後(約1%)が死亡すると言われています。

症状

噛まれた直後から数分後に焼けるような痛みが走り、咬まれた部位が腫れて紫色に変色します。やがて腫れは体の中心部に向かってひろがり皮下失血・水泡形成・リンパ節の腫れも起こります。重症になると筋壊死を起こし、吐気・めまい・発熱・頭痛・意識混濁・視力低下・痺れ・血圧低下・急性腎不全による乏尿・血尿などが起こります。3日程度で症状は改善していきますが、完治までは1ヶ月ほどかかり、重篤化すると腎不全をおこし死に至ります。3~4時間後に重篤な症状をおこしてくることがあるので、必ず早期に医療機関を受診して下さい。

ヤマカガシ

ヤマカガシ

生息地域と特徴

北海道と沖縄以外の日本全国に生息

全長60~120cm、体色は地域によって変異が見られる、関東の個体は体側面に赤色と黒色の斑紋が交互に入る。関西の個体は体側面の斑紋が不明瞭。近畿地方西部から中国地方の個体は青色型もみられる。頸部背面には黄色の帯があり、幼体でより鮮やかで、成長するにつれてくすんでくる。この黄色の帯も個体によっては表れない。胴中央付近の背面の体鱗数は19列。鱗には強いキール(鱗一枚一枚についてくる隆起)がある。毒蛇の見分け方として頭が三角形と言われていますが、ヤマカガシは比較的細い丸型です。

普通の毒蛇は口の中で一番前にある大きな牙に毒腺がありますが、ヤマカガシは奥歯にのみに毒腺があるため普通に人間に噛み付いた時にはこれが皮膚に食い込むことがほとんど無いため近年まで毒蛇と認識されていませんでした。しかし指のような細い部分では毒牙が皮膚に食い込んでしまいますので死亡例が発生したケースもあります。毒性の強さは国内最強でマムシの3倍と言われています。また牙だけでなく首の付け根あたりの皮膚にも毒を持っています。

症状

マムシのように腫れや痛みはなく、咬まれてから数時間から1日ほど経過すると、歯茎や傷から出血が続くようになり一過性の激しい頭痛を伴うこともある。重症化すると脳内出血や腎不全で死亡するケースもある。 必ず早期に医療機関を受診して下さい。

ハブ

ハブ

生息地域と特徴

沖縄本島、伊平屋島、野甫島、屋我地島、古宇利島、伊江島、水納島、瀬底島、渡名喜島、久米島、奥端島、渡嘉敷島、儀志布島、城島、黒島、伊計島、宮城島、平安座島、浜比嘉島、浮原島、藪地島、(奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島)

全長100~220cm、最大で241cmの個体も発見されている。夜行性で昼間は穴の中なので休んでいるが平地・森林・草原・水辺・農地などの地表でも活動をする。 性質は非常に攻撃性が強くピット器官で感知したものには即座に襲いかかる。

毒牙が1.5cmと大型で毒量が100~300mgと多い。 2000年以降は1人の死亡者も出ていませんが、血清やインフラが充実する以前の死亡例は咬傷後24時間以内で75 %、48時間以内で90 %

症状

マムシと同じクサリヘビ科に属するヘビですので毒性も似ています。5~10分ほどで咬まれた部位に腫れと痛みが発生しだんだんと広がり、皮下出血・吐気・痺れなどの全身に症状が現れることもあります。顔や首を咬まれた場合は、腫れによる窒息の危険まあります。必ず早期に医療機関を受診して下さい。

ヒメハブ

ヒメハブ

生息地域と特徴

沖縄本島、伊平屋島、野甫島、具志川島、伊是名島、屋那覇島、屋我地島、伊江島、渡名喜島、久米島、座間味島、安室島、阿嘉島、慶留間島、外地島、屋嘉比島、久場島、渡嘉敷島、儀志布島、城島、黒島、前島、仲島、端島、(奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島)

全長30~80cmで体形は太く短く頸部と尾の先端が細い。 体色は褐色で、暗褐色の角張った斑紋が入る。森林や水田に生息し、動きは不活発で落ち葉や倒木の下でじっと潜んでいることが多い、水辺を好み危険を感じると水中に逃げ込むことがある。

毒性は非常に弱く動きが鈍いので噛まれることが少ないが紛れもなく毒蛇です。

症状

毒性が弱く、咬まれた場合の症状は軽い腫れ・吐気・めまいがする程度ですが、傷口から雑菌は入り体組織が壊死したり、体調不良と重なって重篤化することもありますので必ず早期に医療機関を受診して下さい。

サキシマハブ

サキシマハブ

生息地域と特徴

石垣島、西表島、外離島、内離島、小浜島、竹富島、黒島、嘉弥真島、沖縄本島(外来)

全長60~120cmで体色は褐色から灰褐色。鎖状に暗褐色の鎖状の斑紋が入るが、個体変異も大きく斑紋が不明瞭な個体もいる。

毒性はハブよりも弱いとされているが、重症に陥ることもある。

症状

毒性はハブより弱く、ヒメハブ同様に咬まれた部位の腫れ・痛みが生じます。傷口から雑菌は入り体組織が壊死したり、体調不良と重なって重篤化することもありますので必ず早期に医療機関を受診して下さい。

タイワンハブ

タイワンハブ

生息地域と特徴

沖縄本島(外来)

全長80~130cmでハブに比べるとやや小型で、やや白っぽい灰褐色に黒い模様が規則正しく並んでおり、サキシマハブに似ているが、体型は細く、その点ではハブに似ている。頭は細長い三角形。攻撃性はハブよりも低い。地表に降りることもあるが樹上性で他のハブに比べると樹上の活動が多く夜行性。

毒性はハブよりも強く顔が細いため他のハブ類よりも長い毒牙を持つ。毒牙が長いため噛まれるとより体の深部に毒を打ち込まれるので症状が深刻化するが毒の量が少ないため死亡例は稀である。

症状

ヒメハブやサキシマハブと違い、ハブよりも毒性が強いです。また毒牙が長く深部に毒を打たれるので血清を打っても回復まで時間がかかるケースもあります。必ず早期に医療機関を受診して下さい。

咬まれた際の対処法

まず噛まれた傷口より心臓側を布などで軽く縛り安静にして下さい。これは毒が全身に回るのを遅らせるためです。あわてて走ったりすると毒が全身に回りやすくなります。次に、傷口から血を絞り出すようにして毒を体外に出します。水があれば血を絞り出しながら洗浄して下さい。口で毒を吸い出す方法は、口付近に傷があるときには禁忌です。

以上の処置を行っている間に救急車を呼ぶか、速やかに救急指定病院を受診して治療を受けて下さい。病院では受傷部位の切開、洗浄、点滴等を行います。重症例ではマムシ抗毒素を投与する場合もあります。重症となった症例は、ほとんどが受傷から数時間たってから病院を受診した場合です。噛まれた後すぐに顕著な症状がなくても、3~4時間後に重篤な症状をおこしてくることがあるので、必ず早期に医療機関を受診して下さい。

参考資料:宇部市医師会外科医会 マムシに咬まれたら

ポイズンリムーバー

少しでも重篤化させないためにポイズンリムーバーを活用しましょう。蛇だけでなく蜂などの毒虫にも対応しています。

救急セット

また、キャンプでの危険は毒虫や蛇だけではありません、不注意で切り傷を負うこともありますし、不慣れな山道で転んで骨折なんてこともありえますので、救急セットを常備することをオススメします。

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