北海道でキャンプをする上で最も気をつけなければいけない野生動物といえば「ヒグマ」です。オスの成獣で体長2.5~3m(体重250~300kg)、メスで1.8~2.5m(100~300kg)にもなるヒグマから一撃を受ければその時点で瀕死もしくは、絶命することもあります。気をつけていても相手は野生動物です、いつどこに出現するかはわかりません。
そんなヒグマともし出会ってしまった場合の対処方法を今回はご紹介したいと思います。
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出典:Amazon絶対に行ってはいけないこと
■大声でわめく
ヒグマ側も驚いている状況で、大声でわめくと危険を感じて襲ってくる可能性があります。
■走って逃げる
ヒグマは素早く動くものに反応します。またヒグマは時速60kmで走ることができますので、追いかけられたら走って逃げ切ることは不可能でしょう。
■背中を向けて逃げる
背中を見せると高確率で襲ってきます。絶対にしてはいけません。
■子熊には絶対に近づかない
近くに親熊が必ずいます、子供を守ろうと襲われる可能性がありますので、可愛くても絶対に近づいてはいけません。
距離が離れている場合(距離100m)
■クマが気付いていない
気付かれないように、静かにゆっくりとその場から離れましょう。
■クマがこちらに注目している、もしくは気付いているがこちらを無視している
クマの様子をみながら、静かにゆっくりとその場から離れましょう。
■ゆっくりと近づいてくる
人間だと気づいていない可能性があります、石や木などに上がり、大きく手を振りながら穏やかに声をかけましょう。
■こちらに気付いて、ゆっくり近づいてくる
基本的には人間とわかると回避行動をとりますが、非常に稀ですが上記のように接近をやめないヒグマもいます。興味本位や捕食目的で近づいてきている可能性が高いですので、車内や屋内、なければ木の上などに避難しましょう。逃げ場がなく逃げ切れなさそうであれば強気に対応しましょう。倒木や石の上などに立ち自分を大きく見せて大きな声と音で威嚇しましょう。グループの場合は散り散りにならずまとまって行動するようにしてください。クマ撃退スプレーや棒など武器になるものを用意しましょう。
突発的な遭遇をしてしまったら(距離20~50m)
■クマがのっそり立ち上がるまたは、ひょっこり出てきた場合
クマが立ち上がり、または四つんばいのまま、鼻をヒクヒクさせる行動は、相手を確認するためのものです。 あわてずにゆっくり両腕を上げてふり、穏やかに話かけながら、(万が一の突進に備えて)クマとの間に立ち木などが来るように、静かに移動しましょう。
■クマがこちらを無視している場合
上記の行動に加え、ヒグマから目を離さないように(にらみつけてはダメ)ゆっくりと離れましょう
■ヒグマが立ち去らない場合
周りに子熊やシカの死体がないか冷静に周囲を観察してゆっくりヒグマから離れましょう。子熊に近づいてしまえば子供を守るために襲われる可能性があります。またシカの死体はヒグマの食料です、ヒグマは自分の所有物への執着心が強いですので食料を取りに来た敵とみなされる可能性がありますので注意が必要です。
超近距離で遭遇してしまった(20m未満)
■冷静に、静かに、走らない
上記の「絶対にやってはいけないこと」で記載されている行動は絶対にやってはいけません。静かに。走らない! ゆっくり両腕をあげて振り、穏やかに話しかける。すぐそばに障害物(立木など)があれば、可能ならクマとの間にそれを置く位置関係に静かに移動(注:万一の突進に備えて)。クマ撃退スプレーがあれば準備しながら…と言いたいが、多くの場合、そんな余裕はない。ほとんどの場合、唖然として立ちすくむと、とたんに、クマが全速力で逃げていきます。
ヒグマが突進してきたら
■威嚇行動の場合
突進の多くは、攻撃ではなく威嚇突進です。突進してきても途中で止まったり、激しく地面を叩くなどの行動のあと、後退していくことが多いです。この場合は、穏やかに声をかけながら、クマとの間に障害物を置くようにゆっくりと、こちらも後退しましょう。
■クマ撃退スプレーを使用する場面
威嚇突進と攻撃の突進を見分けることはできません。近距離で出会ってしまった場合は、焦らずクマ撃退スプレーをいつでも噴射できるように準備しましょう。3~4mまでヒグマに突進されたらスプレーの射程距離なので迷わずヒグマの目と鼻をめがけて一気に全量を噴射してください。
出典:Amazon■襲われてしまった場合
上記の行動をとっても襲われてしまった場合、うつ伏せになり顔と腹部を守り、首の後ろは手を回して保護しましょう。バックパックがプロテクターになります。転がされても、その勢いでかならずうつ伏せの姿勢に戻るようにしましょう。