大人気となっているキャンプですが、このブームは日本だけのものではありません。人気が高まることで、どうしてもマナーの悪い人が出てきてしまいます。ゴミや騒音、ギアを放置したり盗んだりと様々な問題が発生していますが、中でも悪質なのが“定住する”という驚きのマナー違反です。
アメリカ、ワイオミング州のアッパーグリーンリバーバレーに45年間お住まいのアーサーコリスさんは、グリーンリバーレイクスから流れる川沿いがフリーサイトとして人気が出てしまったことに心を痛めています。
以前は釣りを楽しんでいた川がキャンパーに独占されてしまったのです。
ブリッジャー・テトン国有林のパインデール危険地区内にある地域ではキャンプの14日間の制限と、川から100フィート離れた場所でキャンプするよう定められています。
しかし、これらのローカル・ルールは守られていません。3週間も同じ場所に留まるリグ車や、廃棄物を直接川に流している現場が目撃されています。アーサーコリスさんはこれらの悪質行為を報告しましたが、移動を求められた人を見たことが無いそうです。
打つ手なしの現状に、その地域で働いて同じキャンプ場に留まる「住宅キャンプ」が増加するのではないかと不安の声があがっています。
原因となっているのは、トレンドの「バンライフ」。
アメリカは7880万世帯がキャンプに行くキャンプ大国です。今やキャンプの在り方が進化し、キャンピングカーやリブ車でのキャンプが大人気なんです。
こういった車でのキャンプは場所さえ確保できれば無料で快適に過ごせるのが魅力です。当然フリーサイトの需要が高くなり、人気のスポットには多くの人が詰めかけてしまいます。大勢が集えば、ルールを無視する連中が必ず紛れている訳で…悪質キャンパーの環境や景観を汚染する行為が大きな問題となっています。
「住宅キャンプ」の対策といて、メディシンボウ国有林のブラシクリーク/ヘイデン地区のレクリエーション担当者、ブライアンウォーさんはローカル・ルールの“キャンプ制限21日間まで”を“16日間まで”に変更したそうです。1度滞在したら30日間は3マイル範囲のキャンプに戻れないという徹底したルールです。
効果的なルール変更に思えますが、実際には焼け石に水だったようで、ブライアンウォーさんが言うには「法執行機関が森林内の隅々までカバーする方法はありません。」
日本でもフリーサイトで問題多発
フリーサイトは日本にも各地に点在します。昨今のキャンプブームからフリーサイトを探してプチ旅行を楽しむ方も多いのではないでしょうか。
しかし、ここでもアメリカのような問題が発生しています。日本でもローカル・ルールは無視されているのです。日本のフリーサイトで多いローカル・ルールは“ゴミの持ち帰り”“直火禁止”“薪は持ち込み(伐採禁止)”など。「なにをしても自由です!」と謳っていても実際にはルールがある場所も存在します。
知らず知らずの内にローカル・ルールを破っていることがあるので、充分注意が必要です。あまりにもマナー違反が多いとキャンプ禁止になってしまう可能性も…。
フリーサイトは“ご好意”スポット
フリーサイトでキャンプを楽しむ時のお勧めは、地元の方にルールを尋ねることです。ローカル・ルールの中には日々変更が加えられているものもあり、常に最新情報を把握するのは困難です。オーナーさんが分かる場合はオーナーさんに尋ねるのが一番ですが、分からない場合は思い切って地元の方に直接尋ねてみましょう。
美しい自然に囲まれていると忘れてしまいがちですが、フリーサイトにもオーナーや、管理してしている人、中には誰に頼まれるでもなく掃除をしてくれる人まで居たりします。ご好意により無料で快適な場所提供して貰っていることを忘れてはいけません。
ON WYO PUBLIC LANDS, CAMPING ABUSES BECOME MANAGEMENT HEADACHE https://oilcity.news/wyoming/outdoors/2019/11/07/on-wyo-public-lands-camping-abuses-become-management-headache/